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バックカントリー向けミドルレイヤー|インサレーション

ミドルレイヤーの基本

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ミドルレイヤーとは、いわゆる肌着とアウターの中間に着込む位置づけのウェアのことをいいます。空気を溜めるミドルレイヤー(中間層)を作って体温を維持する働きがあります。ミドルレイヤーの役割は端的にいうと断熱です。そして、ベースレイヤーら排出された湿気(水蒸気)が抜けていくだけの透湿性も重要な役割のひとつです。つまりミドルレイヤーに求められる機能は「保温」と「通気」です。そのミドルレイヤーとしてはフリースが一般的でしたが、最近では化繊インサレーションの人気が高まっています。ミドルレイヤーとしての化繊インサレーションを以下に考察していきましょう。

フリースvs化繊インサレーション

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フリースは熱を維持しながらも汗をウェアの外へ出していくというメリットがある一方で、防風性はあまり高くなく、ハイクアップ時に風が強い場合等は寒さを感じることは否定できませんでした。ここ数年ミドルレイヤーとして人気が高まっているのが化繊インサレーションです。「通気して汗抜けの良いストレッチ保温中綿」を持つミドルレイヤーを指しています。化繊インサレーションのフリースに対する優位性は、「中綿による断熱性(=保温性)の高さ」です。特にここ数年進化の目覚ましい化繊インサレーションは、フリースの通気性と動きやすさを獲得しただけでなく、従来のダウンインサレーションの保温力という長所もしっかり残しています。またインサレーションの表地は防水性のあるものが多いので多少の雪や雨の中での行動にもぴったりです。厳冬期のハイクアップや通気性より保温性を重要視する方にはインサレーションがお薦めと言えるでしょう。

インサレーションとは?

インサレーションとは「中綿」の入ったジャケットを指します。ジャケットと言ってもアウターシェルの中にミドルレイヤーとして着るものがインサレーションと呼ばれています。Insulationは、「断熱・隔離」といった意味を持っており。外気の寒さを断熱し内側の熱を逃さないようにしてくれる役割があります。もちろん、登山やバックカントリーで使われるものは通気性を兼ね備えています。

インサレーションの進化

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従来インサレーションというと中綿にダウンを使用するものが一般的でした。温かく軽量かつコンパクトというメリットがある一方で行動中の汗や水に濡れるとロフト(かさ)が減り一気に保温性が低下してしまうというデメリットもありました。その為、あまり行動着としては選択されていませんでしたが、2012年の「PolartecAlpha」の登場でその常識は大きく変わりました。「PolartecAlpha」はもともと軍事用に開発された中綿素材で「通気性に保温性に加え軽量・コンパクトさを兼ね備えた素材」として多くのアウトドアブランドに採用され、化繊インサレーションはそれを皮切りに一気に普及しました。最近では各社独自の素材を採用しています。例としてパタゴオアの「プリマロフトゴールド」、アークテリクスの「コアロフト」、ファイントラックの「ファインポリゴン」等が挙げられます。

化繊インサレーションのメリット

  • ・フリースを上回る優れた保温能力
  • ・中綿を使用しているにもかかわらず適度な通気性を兼ね備えている
  • ・動くことを前提とした高いストレッチ性
  • ・濡れても落ちない保温力と高い速乾性
  • ・ダウンには負けるも十分な軽量・コンパクト性
  • ・撥水加工されている製品が多く多少の雪や雨でも着用可能